求龍堂刊『丹波の名陶』出版記念 古丹波名品展
特別展示 藤森武写真作品 ―国宝の観音像―
求龍堂より発刊の古丹波決定版の美術書『丹波の名陶』出版を記念して開催する展覧会です
古丹波の名品30点と、本書の写真を撮り下ろしていただいた写真家、藤森武先生の写真作品「国宝の観音像」26点をご高覧いただきたく存じます
『丹波の名陶』についてはこちらをご参照ください
→http://tanbakotoukan.jp/aniversary.html
名称 | 求龍堂刊『丹波の名陶』出版記念 古丹波名品展 特別展示 藤森武写真作品 ―国宝の観音像― |
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開催日時 | 会場:表参道・アートスペース「リビーナ」(東京メトロ表参道駅A3出口すぐ) 詳細はこちらをご参照ください→http://www.ryabina.com 日時:2010年11月2日(火)〜7日(日) 10:30AM〜6:30PM〈最終日は5:00PMまで〉 |
ごあいさつ | この度、写真家藤森武先生と共に取り組んでまいりました『丹波の名陶』が完成し、求龍堂より発刊されました。その記念として「古丹波名品展」を東京青山・表参道にて開催させていただきます。 本書の250カットを越えるカラー図版は、全て藤森先生による撮り下ろし作品で、丹波古陶館四十周年の節目を飾る事業として、館の総力を上げ編纂いたしました。 丹波焼は八百年間途絶えることなく焼き続けられた古窯。まさに日本人の生活と共に歩んできたものであり、五穀豊穣への感謝の念、安寧健康への切なる願いが、一点一点の作品に込められています。今、残された古丹波を前にして強く感じるのは、陶工の技を超えた自然の力というものです。 雑器として生み出され伝えられた壺や甕。本来の役割を終え、静かな眠りに就こうとしていた昭和三十年代から四十年代、美の提唱者が注目しました。 柳宗悦先生は「不思議であるが、不完全な品であつても、不完全さがそのまま、完全を求めた品より、もつと自由で確かで而も温かい。綺麗さを許さないことが、そのまま渋さの深さに入る。」と評され、土門@先生は「すべては火のエネルギーがつくりなす〈窯変〉である。そこに人為を絶した美しさが生まれた。」と絶賛されました。やがてその言葉や写真は、古丹波を美の表舞台へと押し上げていくことになったのです。さらに同じ頃、眼力のある花道家は壺や甕を花器として見立て、床の間にあげました。そして、競い合って花を挿しました。 近代の美意識が中世の器に命を吹き込んだ瞬間でした。 本展は、多くの先人が育てた「古陶を愛でる文化」を感じていただきたいと企画したものです。『丹波の名陶』所載作品を中心に、鎌倉時代から江戸時代にいたる古丹波の大壺、小壺、水指、小徳利など約三十点を厳選しました。 また、藤森武先生には写真作品〈国宝の観音像〉を会場内に特別展示いただけることとなりました。 ぜひともご高覧いただきたく、ご来場を心よりお待ち申し上げております。 平成22年10月吉祥日 丹波古陶館 中 西 薫 |