丹波古陶館開館50周年記念展
「丹波 ― いきる力が美をつくる」
記念展開幕のお知らせ
この度「緊急事態宣言」が解除され、それに伴い兵庫県の「休業要請」も解除されましたので、6月2日(火) より開館50周年記念展「丹波 ― いきる力が美をつくる」〈7月26日(日)まで〉を開幕させていただきます。記念文化講演会等の関連事業は延期および中止といたしました。
なお、ご来館者様の健康と安全を考え対策を講じておりますが、必ずマスクの着用をお願いいたします。
皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。
丹波古陶館館長 敬白
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日本六古窯の一つ丹波焼は平安時代の末期に初めて窯の煙を上げました。長い焼成日数を要した穴窯の時代。深い土味と豪快な造形、鮮やかな自然釉の勢いなど、巧まずして生まれた美としてのびやかな壺や、甕を残しています。桃山時代末期、登窯の導入によって新しい技術を得、轆轤造りの技を駆使した目覚ましい仕事を見せるようになりました。生活の用に即した美しくも逞しい造形の上に、赤土部窯変の燃えるような発色、灰釉の味わい、白化粧の柔らかい肌合いなど、多くの人々に愛され使われる器が生み出されました。
本展「丹波 ― いきる力が美をつくる」を主催する丹波古陶館は、昭和44(1969)年に設立しました。
創立者で初代館長 中西幸一は大正の中頃より、古丹波に興味をもち、その蒐集を始めました。さらに昭和初期より全国で古丹波展を開催するなどその普及につとめたのです。その頃より、民藝運動の柳宗悦氏との交流が深まり、鑑識眼や美意識を高め、郷土篠山の地に古丹波常設の個人美術館を開館したいと発願するようになります。
のちに二代館長となる中西通はそれを具現化し、河原町妻入商家群内の銀行跡の蔵を購入・改築し、開館しました。昭和48(1973)年には館蔵品の中核を成す「古丹波コレクション」312点が兵庫県指定文化財として一括認定されるにいたりました。
開館50周年という節目の年にあたり、館の半世紀を振り返るとともに、蒐集百年の永くたどりし道を浮き彫りにし、「古丹波を愛でる文化」として多くの人々の記憶に留めたいと、公益財団法人日本民藝館の特別協力を仰ぎながら、本展を企画いたしました。
本展に出品される古丹波には、すべてに亘り、造りし人、使いし人、伝えし人の心がこもっています。言い換えれば、「いきる力が美をつくった」と感じられるのがこれらの品々なのです。けっして過去が生んだ歴史の遺物ではなく、現代に活き続ける土と炎の美として鑑賞していただきたいと願っています。
丹波古陶館 館長敬白
名称 | 丹波古陶館開館50周年記念展 「丹波 ― いきる力が美をつくる」 |
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開催日時 | 令和2(2020)年5月2日(土)〜7月26日(日) 【休 館 日】月曜日 ※但し5月4日(月)は閉館、5月7日を休館 【開館時間】9:00〜17:00(最終入館は16:45) 【入 館 料】一般500円 大高生400円 中小生200円 |
会期中の催し 文化講演会 第1回 |
文化講演会 会場:鳳凰会館(当館前) 聴講無料 ※延期いたします 第1回 5月2日(土) 14:30〜 「六古窯の中の丹波」 森 孝一(美術評論家・公益財団法人日本陶磁協会常任理事) パネルディスカッション ※延期いたします 「土門拳『古窯遍歴』― 美の発見と名著誕生の時代」 森 孝一×藤森 武(写真家・公益財団法人土門拳記念館理事)×中西 薫(当館館長) |
会期中の催し 文化講演会 第2回 |
文化講演会 会場:鳳凰会館(当館前) 聴講無料 ※延期いたします 第2回 6月14日(日) 13:30〜 「柳宗悦と古丹波」 杉山 享司(公益財団法人日本民藝館学芸部長) |
会期中の催し ギャラリートーク |
館員が列品解説いたします ※中止いたします 5月16日(土)、6月27日(土)、7月26日(日) 各日14:00〜 |